2023年8月28日、日経新聞「女性役員登用、課題は社内に 多様性確保へ人材育成急務」にて、弊社リサーチ結果ならびに代表酒井のコメントを掲載頂きました。是非ご高覧ください。

(概要)
上場会社における女性取締役が増加している一方で、執行に携わる社内女性役員の数は少ない状況が続き、ダイバーシティ、多様性の推進に関する課題となっている。
プライム上場企業に対して、政府は2030年までに女性役員比率を30%以上とする目標を掲げたものの、経営層では、該当する女性がいない。

弊社リサーチ結果
・東証プライム上場会社(1829社)のうち、女性取締役は2318人と1年前に比べ17%(334人)増加。女性取締役2318人の内訳は社外2059人、社内259人。
・プライム上場企業の取締役会の人数は平均9.1人。社外取締役の比率は44%。社外取締役全体に占める女性比率は28.1%。
・プライム上場企業では、外国人の社外取締役を起用する企業が7.2%(132社)となり、2022年に比べ0.9%(17社)増加。

弊社代表取締役社長 酒井のコメント
・ダイバーシティ推進には、株主が選任する取締役・監査役と並び、社内幹部への女性登用も急ぐ必要がある。
・取締役会については「社外取締役を過半数にすべきだ」という声もあり、女性社内取締役が単純に増える環境にはない。女性役員を増やすには、執行部(経営陣)で執行役員を含めて女性の登用を急ぐ必要がある。経営執行を任される女性が増えれば、将来的に他社で社外取締役として活躍するチャンスも高まる。
・例えば、10人で構成される取締役会においては、3人の社外取締役を入れることが、少数派が影響力を発揮する最低条件とされ、実際に社外取締役が30%以上いる大企業が増えた。女性起用も同様の理屈で、30%という数字がクリティカルマスとして重視されていると思う。
・女性起用が大切な背景として、組織がグループ・シンクに陥ることを防ぐ効果があること。女性を通じて、多様な知見や考え方が取締役会にもたらされ、監督機能が強化される。
・今後は、「多様性」をどうとらえる下で変わってくる。性別だけでなく、年齢、知識、人種など様々な要素がある。21年のコーポレートガバナンス・コードの改定の際、中核人材における多様性確保の要請が追加された。女性という属性だけでなく、それ以外の多様性も必要。
・外国人の招聘については、①日本語での会話が難しい②取締役会の開催頻度が多すぎて、来日する負担が大きい③社外取締役の報酬が日本企業は低く、適任者を見つけづらい、といった課題があるが、外国人取締役を起用する企業は増加傾向にある。事業のグローバル化を背景に、外国人がいなければ組織の意思決定に支障をきたしかねないと考える企業が増えているため。

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