2月23日、日経新聞 “社外役員、2割で「前任踏襲」” の記事にて、弊社リサーチの結果ならびに代表酒井のコメントを掲載頂きました。
是非ご高覧ください。

・掲載内容(抜粋)
コーポレートガバナンス・コードが今春改定される。独⽴社外取締役の⽐率を3分の1以上に高めることなどが必須だが、国内の担い⼿不⾜は深刻だ。
ガバナンス助⾔のプロネッド(東京・港)が2019年7⽉〜20年6⽉の株主総会で新たに選任された売上⾼5千億円以上の東証1部上場企業の社外取・社外監査役計367⼈を調べたところ、社外役員の21.3%に当たる78⼈が前任者と同じ企業・組織の出⾝者だった。
同じルーツを持つ財閥系企業では、グループ内の企業同⼠で互いに社外取を持ち合い続けている。⽇本経済新聞の調査では、三菱グループの中核企業が開示する社外取のうち、22.6%(26⼈)がグループ内他社の出⾝者だった。同じグループの企業出⾝者だと、事業をよく知っている利点があるとの声も社内にはある。
プロネッドの酒井功社⻑は「想定以上に社外取の『指定席化』が進んでおり驚いている。株主利益を守るために選ばれたはずだが、実態は形骸化している」と指摘する。
「指定席化」の背景にあるのが社外取の獲得競争の激化だ。22年に東証1部を引き継ぐ「プライム市場」に上場するには、独⽴社外取の⽐率を3分の1以上にする必要があるが、東証1部上場企業の41.3%がその要件を満たしていない(20年時点)。こうした企業が社外取を追加選任する場合、今後1年で約1千⼈が新たに必要になるとの試算がある。
一方、企業が求める条件を満たす候補者は限られている上、欧米と異なり、退任した役員が同業他社の社外取に就かないという慣⾏があることも候補者を狭める要因のひとつになっている。
そのため、取締役の総数を減らすことで社外取⽐率を高める会社も増えており、指針をクリアするうえで有効な対策となる。兼任も広がっており、上場企業の社外取のうち2社以上兼務するのは15.1%の1284⼈に上るが、英国やドイツでは取締役会の実効性を高めるため、主要企業での兼任を厳しく制限している。
今後は三井物産のように、海外の同業である英豪資源メジャーの元最⾼経営責任者(CEO)を社外取に置いたり、社外取10⼈のうち6⼈を外国⼈が占める⽇⽴製作所のように、世界に⽬を転じることも必要となる。