第11回コーポレートガバナンスセミナー

「企業不祥事をいかに防ぐか。形だけのガバナンスから中身の伴ったガバナンスへ」

今回は、弁護士・国広総合法律事務所パートナー 國廣正氏ならびに警察大学校警察政策研究センター教授 樋口晴彦氏を講師にお招きし「企業不祥事をいかに防ぐか。形だけのガバナンスから中身の伴ったガバナンスへ」というテーマで開催いたします。

オリンパスの事件では、1997年の山一證券破綻の際に知られるようになった「飛ばし(Tobashi)」の亡霊がよみがえり、日本企業に対する国際的信用は著しく損なわれました。この状況を克服して健全な企業統治を実現するには、多くの企業にまだ残っている(かもしれない)「山一的なもの」「オリンパス的なもの」の正体を理解することが、まず必要とされるでしょう。ご講演いただく國廣氏には、トップ主導の「日本型組織不正」の実態を明らかにした上で、危機管理と企業統治(コーポレートガバナンス)の観点から、このような不正に立ち向かい、これを克服していくための方向性を示していただきます。同時に、企業統治のあり方について「いかに制度を機能させるか」という実務的観点から検討を加えてゆきます。

樋口晴彦氏のご講演では、新銀行東京の経営悪化事案を題材として取り上げ、コーポレート・ガバナンスの上の問題点を分析するとともに、東証上場会社全般におけるコーポレート・ガバナンスの進捗・発展状況を概観し、日本企業に共通して存在する問題点を浮き彫りにし、社外取締役の実効性を確保するための最低条件についてお話しいただきます。

大王製紙、オリンパスにおける企業不祥事が明らかになり、コーポレート・ガバナンスの強化を求める声が急速に高まっています。社外取締役の設置の義務化、社外取締役の独立性の強化など、法律や規則の改正・強化に関心が集まりつつあります。しかしそれだけで本当に企業のガバナンスの強化が実現できるのでしょうか。当セミナーの締めくくりとして、弊社代表酒井が、米国におけるコーポレート・ガバナンスの失敗事例をもとに、日本企業が目指すべきガバナンスのあり方についてお話をさせていただきます。

日時2012年2月10日(金) 15:00~ (14:30~受付開始)
場所東京国際フォーラム 会議室 G701
15:00開会のご挨拶
株式会社プロネッド 会長 田中 健一
15:10~16:20「日本型不祥事の実態と実質的に機能する企業統治」
國廣 正 氏
弁護士・国広総合法律事務所 パートナー
16:20~17:00「日本企業のガバナンスに対する警鐘」
樋口 晴彦 氏
警察大学校警察政策研究センター 教授
17:00~17:30「米国式ガバナンスは何故企業破綻を防げなかったのか?」
酒井 功
株式会社プロネッド 代表取締役社長
17:30閉会のご挨拶
講師略歴國廣 正 氏
弁護士・国広総合法律事務所パートナー
1955年大分県生まれ。東京大学法学部卒業。専門分野は、訴訟(会社法・金融商品取引法などの領域)、危機管理、企業のリスク管理体制構築(コンプライアンス・コーポレートガバナンス・内部統制)。多くの大型企業不祥事の危機管理、第三者委員会調査などを手がける。現在、積水化学工業(株) 社外監査役、東京海上日動火災保険(株) 社外取締役、内閣府顧問(法令遵守対応室法令顧問)、消費者庁顧問(法令遵守調査室法令顧問)。著書に「修羅場の経営責任」(文春新書)、「それでも企業不祥事が起こる理由」(日本経済新聞出版社)、「内部統制とは、こういうことだったのか」(同:共著)など。
樋口 晴彦 氏
警察大学校警察政策研究センター 教授
1961年広島県生まれ。東京大学経済学部卒業後、国家公務員上級職に採用。愛知県警察本部警備部長、四国管区警察局首席監察官のほか、外務省情報調査局、内閣官房内閣安全保障室に出向。1994年フルブライト奨学生としてダートマス大学ビジネススクールでMBAを取得。現在、警察大学校警察政策研究センター教授として、危機管理分野を担当。危機管理システム研究学会常任理事、失敗学会理事、日本経営倫理学会会員。著書に「組織行動の『まずい!!』学」「『まずい!!』学 組織はこうしてウソをつく」「不祥事は財産だ プラスに転じる組織行動の基本則」(以上、祥伝社)、「企業不祥事はアリの穴から」(以上、PHP研究所)など。